土曜の夜は羽田に来るの |
転勤族の子供は、それはそれで大変な部分も少なくなく、中学1年生の頃、本人たちは最初お互いに別に特殊な気持ちは無かったけれど、何故か、周りからは、付き合っていることになっている(ならされた)というような関係のふたりがいて、確かに仲は悪くなかったので、中2の時に男の子が転校した後、また会おうよ。と、ちょうど中間地点に位置していた鹿児島空港において半年ぶりに再会。中学の小遣いでやりくりするのは割と大変だったのですが、そんなことが、ふたりが高校を卒業するまで続き、女の子は鹿児島市内の会社に就職。男の子は進学で神奈川県に、その後も、ふたりが会うのは、やっぱり、鹿児島の空港でした。時の流れは意外に速く、彼が21歳の時、学年は一緒だったけれど、ひとつ年上だった彼女は22歳。今から思えばまだまだ呆れるくらいに若い、若過ぎると思えるくらいの年齢なのですが、半大人だった当事者たちにとっては決してそうでもなく、特に社会人3年目を終えようとする彼女にとっては、全く違った感覚だったのでしょう。最後だけは、鹿児島空港でなく、西駅(現在の鹿児島中央駅)でした。別れの言葉も、別れの手紙も、何も無く、暗黙の了解。それが最後でした。以来、一度も会うこともなく、電話も、手紙もどちらからもありませんでした。ただ、それから、随分と長いこと、空港を利用する度に、気が付くと、彼女の姿を捜してしまっている自分がいることを感じていました。
転勤族の子供は、それはそれで大変な部分も少なくはなかったのですが、中学生で遠距離恋愛を経験できるなんて、そうそうざらにあることでも無かっただろうから、そんなに悪いことばかりでもなかったのかな。と、十二分すぎるほどに大人になった彼は、今、思っていると思います。
以前にも、この曲はUPしたことがあったと思うのですが、どこに行ってしまったのか分からなくなってしまったので、再UPしました。